「計算方法が2つあるけど省エネ適判はどっちでするの?」といったお問合せをよくいただきます。
それぞれの計算方法の特徴から目的に合わせて使い分けられるものですが、省エネ適判ではほとんどの場合でモデル建物法を使って計算を行います。
その理由は簡易的な計算方法であるため、低コスト・短納期で進めることができるためです。
確認申請を下すところから、完了検査までの流れの中でどんな影響が考えられるかを詳しく解説していきたいと思います。
計算方法の種類
省エネ計算には「モデル建物法」と「標準入力法」の2つたの計算方法があります。
モデル建物法は簡易的な計算方法で、建物用途の特徴的な部屋の特定の機器を対象として計算を行います。
そのため、低コスト・短納期で進めることができます。
それに対して標準入力法は、全ての部屋の全ての機器を対象に計算を行います。
部屋や機器の数だけ計算に入力していく作業が発生するため、時間かかり、コストも高くなります。
モデル建物法に比べると時間も費用も1.5倍から2倍くらいのイメージです。
ただ、細かく入力して幾分、正確な計算結果が出てくるので、モデル建物法より計算結果が良くなる傾向があります。
この様にモデル建物法と標準入力法にはそれぞれ特徴があり、目的に合わせて使い分けていく必要があります。
省エネ適判をモデル建物法で行うメリット
省エネ適判でモデル建物法が使われる理由をもう少し詳しく見ていきましょう。
ここまでで、モデル建物法は簡易的な計算方法で低コスト・短納期で進められるというのはご理解いただけたかと思います。
それが確認申請の流れの中でどのようにしてメリットを生み出しているのかというと、審査にかかる費用と時間も含めた低コスト・短納期であることが第一に上げられます。
次に計算対象となる部屋や機器が用途によって絞られているため、着工後に現場で変更になった機器が変更対象になりにくくなるという点です。
少しわかりずらいかも知れませんね。
標準入力法で計算をすると全ての部屋の機器が変更対象となりますが、モデル建物法は計算で使われていない機器もあり、その計算で使われていない機器が変わっても変更申請は不要となります。
モデル建物法で計算対象となる機器についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
実際に標準入力法で省エネ適判を行うと、審査費用も割高になり、計算を外注に出す場合は計算費用も1.5倍~2倍くらいになります。
計算や審査にかかる時間もそれぞれ1ヵ月くらいは見ておいた方が良いかなと思います。
実際にどれくらいの費用がかかるかや、おすすめの進め方などはこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
そのイベントが確認審査のタイミングと完了検査前の変更申請で発生しますので管理の手間もはかり知れません。