いま建物を建てようとすると必ず必要になるのが省エネ計算と言われるもの。
電化製品の省エネと言葉は同じですが、それとは異なります。
建築物省エネ法という法律で、建物が消費するエネルギー消費量に規制をかけ、2050年のカーボンニュートラルを目指して建築業界が取り組んでいるSDGsの一つ。
今や省エネ基準をクリアできていない建物は建築できない時代。
新築のみならず、増改築の際にも省エネ法の規制がかかり、一定の基準をクリアしないと確認申請が下りず、建築を行うことができません。
新築であれば、設計段階で設備などを決めていくため、図面や資料もありますが、増築となると既存部分が古ければ古いほど当時の資料も残っていない。
そんな建物でどうやって省エネ計算を行えばいいのか。
その辺にも触れながら、2024年の省エネ法改正で変更になった規定値の設定方法やクリアしなければいけない基準の自動判定フォームをご紹介します。
増改築に関する省エネ計算の進め方を詳しく知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
増改築の省エネ計算の考え方
省エネ法では既存部分も増改築部分と一緒に省エネ計算を行うことの他に、既存部分の省エネ計算結果(以後BEI)に決められた規定値を使用して、増改築部分だけを計算し、それぞれの面積で按分して足し合わせたBEIを算出して良いとされています。
BEIや省エネ基準についてはこちらの記事で詳しく解説しているので割愛します。
そのBEIが省エネ基準をクリアしていれば、建築許可が下り、クリアできなければ、増築部分の省エネ化をはかったり、既存部分も計算する・・・という面倒な作業が発生します。
これから増改築を計画している建物が、どれに該当するのか、事前に把握して置きたいですよね。
増改築の省エネ基準
ちなみに、既存部分の建築時期と増築のタイミングによって、クリアしなければいけない省エネ基準が変わります。
2024年の法改正によってより細かく設定されています。
その内容についても下記の記事で解説していますのでご確認ください。
増改築の省エネ計算で注意すること
既存部分のBEIに規定値(基準より悪い数値)を設定して、増改築部分を計算し後から面積按分して足し合わせるということは、増築部分の割合が、既存部分に対して小さければ小さいほど、足し合わせたときのBEIが悪くなるということ。
また古い建物ほど現存する建物の設備図や資料、当時の基本図などもの残っていないことが多いので、クリアしない・・・となると、資料を用意する段階からものすごく大変な作業になります。
つまり、古くて大きな建物を少しだけ増改築するというのが、省エネ法の対応上は一番面倒な案件ということになります。
少し増改築するだけなのだから、と安易に構えているとお施主様との大きなトラブルになりかねません。
そういったことも踏まえて、この自動計算フォームを使って事前にどれくらい手間のかかる増改築になるかを把握しておくのが良いでしょう。
既存部分の規定値と適合基準の判定フォーム
既存部分の建築時期と増改築部分の確認申請時期が分かれば、この判定フォームで簡単に規定値や適合基準を把握することができます。
判定結果
規定値:
省エネ基準:
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