自己肯定感について学んだり、嫌われる勇気を持とうとしたけど、いつまで経っても心は震えたまま。
強くなれた、リフレッシュできた、だからもう大丈夫だって思っても、なぜかあの人の顔を見ると心が縮んで何も言えなくなる、イライラしてしまう。
それって、自分が弱いからって思っていませんか?
僕は思っていました。
自己肯定感に関する本を読んだり、瞑想に取り組んだり、たくさん自分と向き合ってきました。
あなたはどうですか?
理屈はわかっていても、人の目を気にせず自分らしく生きるのは簡単ではありませんし、テクニックには即効性がないと継続も難しくなる。
そして、結局いつもの毎日に戻ってしまうのです。
そんなあなたの不安や悩みの正体を突き止めてみましょう。
今回の執筆にあたり、参考にした文献はこちら↓
不安や悩みを生み出す影子の存在
心理学の話になりますが、私達の中には「内なる子供」と「大人の自分」がいると言われています。
内なる子供は、私達が6歳になるくらいまでに、関わった養育者によって生み出され、さらにそれはネガティブな影子(かげこ)とポジティブな日向子(ひなたこ)の2つに分けて考えられます。
影子と日向子はどちらか1つがあなたの中に存在しているのではなく、影子と日向子の両方があなたの中に存在します。
ネガティブで自己肯定感の低い人は影子が出てきやすく、日向子が弱いためなかなか気持ちを切り替えられなかったり、立ち直れなかったりします。
一方で、日向子が強い人は嫌なことがあっても、気持ちの切り替えも早くすぐ立ち直り新しい挑戦や行動を起こせるようになります。
影子を生み出す4つの欲求不満
養育者との関わり合いの中で、影子や日向子が生まれると言いましたが、具体的にどのようにして影子は生み出されるのでしょうか?
それは人が持つ4つの欲求が深く関係しています。
4つの欲求とは、
- あるがままでいたいと願う「自由欲求」
- 美味しいものを食べたい、心地いい音楽を聴きたいなど五感を気持ちよくさせてくれる「快感欲求」
- あの人と友達になりたい、この子とわかれたくないといった誰かとのつながりを求める「結びつき欲求」
- みなさんもよくご存知の誰かに認められたいと思う「承認欲求」です。
これら4つの欲求が、6歳位になるまでに関わった親や養育者との間でどれがどれくらい満たされ、どれくらい満たされなかったかによって、心の拠りどころとなる「基本的信頼感」が形成されて行きます。
「基本的信頼感」がうまく育まれなかった子供は「自己価値観」が下がり、自分が受け入れられているか懐疑的になるため、人間関係をうまく構築できず影子が生まれてしまう。
つまり影子とは、親から受ける満たされなかった4つの欲求のバランスによって生み出された、ネガティブな信念の象徴というわけです。
あなたはお父さんやお母さんなどから、どんなことをよく言われていましたか?
どんな子でいようと思っていましたか?
- 私はすべてのことを正しく行わなければいけない
- 私はあなたの期待に応えなければいけない
- 私の答えは正しくないから言ってはいけない
- 私と話すのは時間の無駄になる
そんなふうに正しさに怯えていませんか?
ネガティブな信念は真実ではなく、あなたの親の教育ミスによって心に刷り込まれたあなたの主観的な現実であると本書では説明しています。
あなたを守る影子が作り上げた12の防衛策
ここまで見てきた過程で生まれた影子は、親に反発したり、親と同じ様に生きようとすることで自分を守ろうとします。
また、子供時代の経験のほとんどは潜在意識の中に保存され、今の自分を操る要素の80〜90%にも及び、科学的にも証明されていると本書では言われています。
この様に親との関わりの中で形成されたネガティブな信念である影子と生まれ持った遺伝的な素質が合わさって、私達の性格は形成されていき、その性格が影子の行動パターンを決めて行きます。
影子によって引き起こされる行動パターンはすべて、「不安」「怒り」「悲しみ」「寄る辺なさ」などの心身に負担のかかる負の感情を処理したり、感じないようにするためのもので、その行動パターンは12パターンの「防衛戦略」と呼ばれるものに分類することができます。
- 抑圧
- 投影と被害者意識
- 完璧主義、美への極度のこだわり承認中毒
- ハーモニー志向と過剰な同調性
- 救世主志向
- 権力志向
- コントロール志向
- 攻撃・避難
- こどものままでいようとする
- 逃避・退却・回避
- ナルシズム
- 隠蔽・偽装・嘘つき
これらのどれか一つに属するわけではなく、心にかかった負担の大きさや相手との関係性によって行動パターンを変えて行きます。
私の場合、承認欲求が強く正しくいなければいけないという思考が強いため、ハーモニー志向と過度な同調性がどんな相手にも発動しやすくなります。
そして精神的なストレスが強くなると、最終的には環境を変えることを選びそこから逃避・退却・回避するための行動を取るようになります。
影子と一体化している
では、あなたの心の中に影子が出てきた時、あなたはどのような状態になっているのでしょうか?
実は影子もあなたも昔の現実に囚われていて、今のあなたの思考や感情、行動にものすごく大きな影響を与えているといいます。
目の前で嫌な出来事が起きたり、起きそうだと思った時にあなたは昔の記憶を呼び起こし、影子が現れ、一体化してしまいます。
嫌な出来事が過ぎ去ってしまえば影子はおとなしくなり、「大人の自分」の状態に戻り、「なんであんなに不安になったんだろう」「大したことじゃなかった」と振り返って思うのです。
「大人の自分」で常にいられれば、同じ出来事が起きても冷静に対処できたり、少なくとも影子の状態で感じてしまっていた、大きな不安やストレスは薄れていくはずです。
私達が抱える悩みのほとんどが対人関係によるものだというのも、影子と一体化してしまい、他者の頭の中に勝手に投影した自分の姿に悩んでいるのです。
つまり、自分は良くない行いをしたと思い込み、相手がどう感じているかとは関係なく、自分で自分を悪く思うことで、相手も同じ様に考えていると自分の頭の中を相手に投影してしまうことで、悩んでしまうのです。
その結果、あなたの影子はあなたを守るために防衛戦略使い、相手との間にトラブルが生じていきます。
なぜ影子がその様な行動を取ろうとするのかというと、影子はあなたが心身ともに成長していることに気づいておらず、昔と変わらない世界が今も広がっていると思っているからです。
影子と一体化してしまったら、まずそのことに気づき、生み出されている感情は影子があなたを守るために作り出した妄想だと一歩引いて見て、「大人の自分」を取り戻し、あなたの影子に「大丈夫、辛かったね、後は私がなんとかするから大丈夫だよ」と言ってあげることで、影子は安心し、現実を冷静に見れるようになって行きます。
脳は物事を習慣づけで覚えていくので、「大人の自分」を取り戻すための同じ「思考-感情-行動」を繰り返していけばそれは徐々に真実味を帯び深く脳に刻み込まれていきます。
いずれは意識しなくても自動で高速にその反応ができるようになって行きます。
仏教でも、心の状態を観察し、気づき、手放すことを繰り返すことで苦悩から開放されていくと教えています。
あなたは今何を感じていますか?
それは本当に起きていますか?
マインドフルな人生を手に入れるには、心の反応は妄想だと気づき、五感が感じるものに意識を集中することなのです。
「今ここ」
というマインドフルネスでよく耳にするこの言葉の意味は、五感に意識を集中することで、心の反応から自分を開放してあげることなのです。
両親にも影子がいて代々受け継がれるものそれはカルマ
あなたの影子はあなたの親などの養育者の教育ミスによって生み出されたものだと説明しました。
それは更に遡ると、あなたの親があなたのおじいちゃんやおばあちゃんによって作られてしまった影子によるものだということです。
つまりあなたの両親にも影子がいるということです。
親も生きて行くためには、人に同調したり、反発しながら自分を守るしかありませんでした。
そのすべをあなたに教えていただけなのですが、それが今の自分を苦しめる原因になってしまっているというのはなんとも皮肉なものですね。
親の気持ち子知らず、などとも言いますが、影子に気づけたあなたならきっとあなたの親の影子にも理解を示してあげられるはずです。
また、もしあなたに子供がいたり、これから子供を育てる機会が得られるなら、あなたの教育ミスによって影子を作らないようにすることが出来るようになると思います。
カルマという言葉は知ってますか?
仏典などの日本語での解釈では「業」という意味合いで使われる。サンスクリット語では「行為」、または行為の結果として蓄積される「宿命」と訳される。カルマは「過去(世)での行為は、良い行為にせよ、悪い行為にせよ、いずれ必ず自分に返ってくる。」という因果応報の法則のことであり、インド占星術の土台であるヴェーダ哲学の根底に流れる思想である。
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9E-468275
ざっくり言うと「前世での行いが後の世の自分に返ってくる」というもの。
私はこれに影子を重ねて「親から引き継ぎ、子に受け継いで行く影子である」という解釈をしました。
カルマ自体は良い行いも含まれますので、これに限りませんが、影子に気づき向き合えば、私達の代でこのカルマを断つことができると考えています。
まとめ
いかがでしたか?
あなたの不安や悩みの原因はあなたに価値がないからではなく、あなたの心が作り出した妄想で、その妄想はあなたが子供の頃に親から受けた教育ミスによって生み出された影子があなたを守るためにとった行動が原因だったのです。
その解決策は影子と一体化してしまっていることに気づき、「大人の自分」で影子を安心させてあげることです。
観察し、気付き、手放すプロセスを日々の中で実践して行きましょう。
また、これは私個人の解釈になりますが、影子とは機嫌の悪い自分、日向子とは機嫌の良い自分のことで、どんなときも自分の機嫌をうまくとれる人がポジティブな人で、できない人がネガティブな人だと思いました。
同じことを伝えるにも、機嫌が悪いときと、機嫌が良いときとでは出てくる言葉も変わりませんか?
コントロールするのは相手の機嫌ではなく、あなた自身の機嫌です。
あなたの機嫌が良くあれば、きっとあなたの世界は平和に変わります。
自分の機嫌を上手に取りながら、マインドフルで幸せな人生を一緒に手に入れましょう!
ここでは説明を省かせていただきましたが、日向子の状態になるためのテクニック、つまりは自分の機嫌を取るための方法についても説明していますので、詳しく知りたいという方は是非本書を手にとってください。
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